多飲多尿(たいんたにょう;Polyuria Polydipsia)
2015年5月12日 / ☆小鳥の病気
多飲多尿は、さまざまな理由によって発現する、生理的現象、心因性または病的反応です。「下痢をしている。」という理由で来院する鳥の多くは、下痢ではなくて多尿です。目安として、体重の20%を超える飲水量または糞ひとつあたりの尿の直径が1cmを超えている時は、多飲多尿の可能性があります。
鳥の多飲多尿の原因は実にさまざまです。一般的にみられる生理的な要因としては、ペレット食、野菜・果物の多給、換羽期、発情、興奮やストレス、高温環境などがあり、病的な原因として、糖尿病、腎臓病、肝臓病、敗血症などがあります。
診断
多飲多尿がある時は、それが生理的なものか病的なものかを鑑別する必要があります。生活環境、身体検査、X線検査、血液検査、糞便検査、尿検査などを実施して、総合的に判断することが望まれます。
治療
多飲多尿の原因が生理的な場合には基本的に治療は必要ありません。
病的理由の場合にはその病態に応じた治療を行います。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」