PBFD(オウム類の嘴・羽病)
2015年3月23日 / ☆小鳥の病気
PBFDは羽毛の異常を特徴とする治療困難なウイルス感染症です。
セキセイインコ、白色のバタン、ヨウムに多く発生します。
原因
感染鳥からサーコウイルスが体内に入って伝染します。ウイルスは主に同居鳥の羽毛や排泄物、親鳥からヒナへの給餌で感染すると考えられています。
症状
ウイルス感染後も数か月~数年間は「潜伏期」でなんの症状もなく元気に生活します。発病すると、治療しても多くが1年以内に死亡しますが、数年以上生きることもあり、中には完治する例もあります。
症状、経過は次の4つのタイプがあります。
①甚急性型:ヒナに多く、突然死亡します。
②急性型:幼鳥に多く、羽毛異常、消火器症状、貧血などを起こして衰弱して
死亡します。
③慢性型:若鳥~成鳥に多く、羽毛異常や脱羽が徐々に進行し、数か月から
数年で最終的には免疫不全をおこして死亡します。
④無症状型:ウイルスには感染していますが元気で症状を表しません。
診断
進行する羽毛異常や白血球減少があればPBFDが疑われますが、確定診断には羽毛の組織検査や血液の遺伝子検査を行います。
治療
PBFDの治療は確立されてなく、複合的なものです。当院ではインターフェロンの定期注射で以前に比べて、改善率、ウイルス陰転率が劇的に向上しました。補助的に抗ウイルス薬、アミノ酸、総合ビタミン剤や免疫強化薬を併用します。普段から栄養バランスに気を付けて、ストレスをあたえず平和な日常を心がけましょう。体力の低下があるときは25~30℃くらいに保温します。
予防
感染鳥を完全隔離(少し離す位ではダメ!)することしかありません。感染鳥から落ちた羽毛や糞も感染源になるので環境汚染にも気をつけます。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」