鳴管炎(めいかんえん:inflammation of the syrinx)
2015年3月24日 / ☆小鳥の病気
鳴管炎は鳥類特有の発声器官である鳴管の炎症です。
原因
鳴管炎の原因の多くは、細菌、真菌、ウイルス、クラミジア、マイコプラズマなどの感染によります。
症状
鳴管は発声器官で、哺乳動物の声帯に当たる部分ですので、「声が出ない」や「声がかすれる」といった症状で気づかれることが多いです。進行すると呼吸困難となり、スターゲイジングや開口呼吸がみられます。
診断
鳴管炎の存在は、特徴的な症状と、X線検査で鳴管部分の不透過性亢進で疑われます。原因となる感染症の検索には、培養や遺伝子検査が利用されます。
治療
原因が特定できれば、原因に対する治療と共に消炎剤などによる対症療法を行いますが、初期治療として抗菌剤、抗真菌剤や消炎剤を同時に使用するカクテル療法が行われることが多いです。症状が重く、呼吸困難がある時には、ストレスの少ない吸入治療が行われます。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」