副鼻腔炎(ふくびくうえん:sinusitis)
2015年4月15日 / ☆小鳥の病気
副鼻腔炎は鼻腔と眼の間の空洞(副鼻腔)におきた炎症です。
原因
ビタミンAの不足や免疫力の低下によって、副鼻腔内に細菌、ウイルス、クラミジアや寄生虫が感染して起こります。
症状
クシャミ、鼻汁で発見されることが多いですが、他に鼻閉、流涙、結膜炎がみられます。病状が進行すると、副鼻腔内に膿が貯留し、目が突出したり顔面が腫(は)れることがあります。鼻閉があるとテールボビングがみられる場合があります。
写真:重度の副鼻腔炎で眼周囲が腫脹したオカメインコ。
上部には膿瘍が形成されている。
診断
上記の症状に併せて、鼻腔(副鼻腔)洗浄液の培養や遺伝子検査を行って、病原体を検索します。寄生虫(トリコモナス)感染が原因の場合は、そのう液の検査で診断が可能です。
治療
検査結果によって、抗菌剤や抗真菌剤を注射、内服または局所投与します。原因がはっきりしない場合にはこれらの薬剤を試験的に投与することがあります。副鼻腔内に膿や壊死産物が貯留している場合には切開してこれらを除去し洗浄を行います。トリコモナス感染が原因の場合には抗原虫薬を投与します。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」