足底炎(そくていえん)、趾瘤症(しりゅうしょう)
2015年5月21日 / ☆小鳥の病気
足底炎は主に指の関節部分に起こる皮膚炎で、足底炎が慢性化して潰瘍化、腫瘤化したものを特に趾瘤症と呼びます。
原因
片方の脚の異常による片側負重や肥満による体重増加によって足底の継続する負荷により、足の裏に炎症がおきたものです。止まり木が細すぎたり太すぎたり、えさ入れに止まったりすると足底に部分的な負重がかかって炎症が起こります。肥満やビタミンAの不足があると悪化します。
通常はゆっくりと進行して、細菌感染がおこると、患部がつぶれて出血したり骨膜炎をおこして、痛みのために握力が低下したり、脚を持ち上げるようになります。
症状
軽いうちは患部が赤くなるだけで自覚症状はありませんが、進行するにつれて徐々に痛みを示すようになります。患部は徐々に腫れて硬くなり、かさぶた状になります。細菌感染をおこすと可能して骨まで達することもあります。
治療
根本的な原因を改善するため、まず止まり木、床環境改善を行います。止まり木が2本の場合はそれぞれ太さが異なるものにするか、凹凸がある木の枝状のものに変更します。弾力のある伸縮テープを巻きつけて足裏への負荷を軽くすることも効果的です。
痛みの程度に合わせて消炎剤や鎮痛剤を外用薬か内服薬で使用します。細菌感染がある場合は抗菌剤を併用します。
治療は長期的に継続する必要があります。なかなか治らなくてもあきらめないで根気よく続けることが回復へ導きます。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」