消化管内真菌症(カンジダ感染症)
2015年5月12日 / ☆小鳥の病気
ジダです。
カンジダは健康な鳥の腸内にも存在する常在
真菌と考えられています。
原因
真菌は健康な鳥の腸の中にも存在しています。ヒナや幼鳥、免疫力が低下している病鳥では真菌が増殖して病害が発生することがあります。
この病気は、口腔、そのう内や胃腸内に真菌(主にカンジダ)が増殖して起こります。パンやご飯などの人の食べ物を与えられている場合や、幼鳥の場合、、挿し餌の量が多過ぎたり、挿し餌を熱湯で溶かしたりすることはカンジダ増殖の要因になります。成鳥では他の病気のために体力が落ちたり、長期的に抗生物質を与えられていた場合にも起こります。寒さや、換羽、その他のストレスなどにより、鳥の免疫力が落ちたときや、ビタミンAやミネラルが不足しているエサを与えられている場合にも、この病気にかかりやすくなります。
症状
カンジダ増殖当初は普段より食欲が増し、絶えずエサを食べている様子が観察されます。感染が進行すると口臭、あくび、口内炎、嘔吐、消化不良、黒色便がみられるようになります。元気がなくなり羽を膨らませたり、逆に、落ち着きなく動き回るなどの行動が見られます。ヒナ~幼鳥では、対処が遅れると衰弱が進んで死亡する可能性があります。
治療
抗真菌剤の投与を行い、必要に応じて抗菌薬やビタミン剤を併用します。この病気は他の病気に続発している可能性があるので、基礎疾患があればその治療を行うことが重要です。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」