結膜炎(けつまくえん:conjunctivitis)
2015年5月22日 / ☆小鳥の病気
結膜は、白目とまぶたの裏側の粘膜です。鳥はいろいろな原因で結膜に炎症をおこすことがあります。
原因
結膜炎の原因は、感染性、アレルギー性、外傷性が考えられます。
感染性は、一般的な細菌の他、マイコプラズマやクラミジア等の病原体の感染が原因となります。特にオカメインコではマイコプラズマによる結膜炎がよくみられます。鳥類のアレルギー反応は解明されていませんが、強い季節性や年周期性がみられるときは鑑別のひとつとして考慮します。外傷性で多いのは、他の鳥とのケンカです。
症状
目が半開きになったり、涙が多くなったりします。
診断
結膜炎の診断自体は難しくありませんが、原因を調べるために、培養や遺伝子検査によって感染症の有無を調べることがあります。
治療
いずれの原因でも、一般的な治療は、抗菌薬や消炎剤の目ぐすりや飲み薬を使用します。鳥への目ぐすりは慣れないと難しいのですが、使えれば効果が高いので、可能な限り試みます。目ぐすりがしみたり、性格によっては目ぐすりの後に目をこすったり、ひっかいたりすることがあるので、よく観察します。
©みやぎ小鳥のクリニック
*本解説は、下記の参考文献および当院での実績を基に構成・編集したもので す。出典表記のない図、写真はすべて当院オリジナルです。
【参考文献】
・小嶋篤史著「コンパニオンバードの病気百科」(誠文堂新光社)
・海老沢和荘著「実践的な鳥の臨床」NJK2002-2007(ピージェイシー)
・Harrison-Lightfoot著「Clinical Avian Medicine VolumeⅠ-Ⅱ」